観光ツアー「 古墳めぐり」体験レポート

古墳スペシャリストとめぐる「百舌鳥古墳群」ウォーキングツアー

「世界遺産」に登録された堺市の百舌鳥古墳群。ボランティアガイドが代表的な古墳の見所や鑑賞のポイントを案内してくれるウォーキングツアーが誕生しました。「そもそも古墳とは?」「何がすごいの?」など素朴な疑問にもやさしく答えてくれる、大満足のツアーの全貌をご紹介します。

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歩くことで分かる古墳の魅力。基本を学んで、さあスタート!

鍵穴形の古墳は前方後円墳と呼ばれます。円い方が後円部、四角い=台形の方を前方部といいます。
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古墳めぐりのガイドを務めてくださるのは、黄色いスタッフブルゾンでおなじみの「NPO法人 堺観光ボランティア協会」の皆さん。この日の担当は、古墳ファン歴40年以上、”元祖 古墳ガール”の樽野美千代さんです。「古墳は地上から見るのが一番面白いんです!」という樽野さんの言葉に胸を高鳴らせ、さあ出発です。

樽野さんによると、身分が高い人のお墓である古墳が国内で築造されたのは、3〜6世紀。その中で、日本最大の<仁徳天皇陵古墳>を含む百舌鳥古墳群は、文化も技術も最盛期に達した4世紀後半〜5世紀に集中しているそうです。かつては100基以上がありましたが、現在残るのは44基。これらは密集しているため、徒歩で回るのがベストだそう。「自分の足で歩くと、古墳の構造や配置の妙も分かります。ガイドブックに出てこない小さな古墳に出会える楽しさもありますよ」。

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「古墳は、前方部の角から見よ」で、鑑賞のコツをしっかりマスター

まずは、樽野さんが「日本で一番美しい形」と絶賛する<ニサンザイ古墳> と<御廟山(ごびょうやま)古墳> <いたすけ古墳>をめぐり、鑑賞のポイントを習得。 「前方部の角に立って眺めると、前方後円墳の形がよくわかります」と樽野さん。早速実践してみると、なるほど! 斜めから見ることで、円と四角が重なる「くびれ部分」もよく分かります。 築造当初は表面に石が敷きつめられ、「古墳に木が生えていなかった」というのも驚きです。広大な原生林の中、土造りの巨大な建造物は異彩を放ったことでしょう。

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5世紀前半に築造された「御廟山古墳」。水辺に映るシルエットも美しい。
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「古墳は周りの土を掘って積み上げているので、周囲に濠(ほり)ができます。桜や紅葉がきれいな場所も多く、濠沿いのおさんぽは人気です」と樽野さん。なお、木の葉が少ない冬場は「古墳のフォルムがよく分かるので、鑑賞に最も適した季節」とのこと。
また、大きな古墳は三段に築成されていて、肉眼でも分かるそうです。

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「いたすけ古墳」にかかる壊れた橋は、かつて市民運動によって古墳の破壊を食い止めたことを示す記念碑的存在。今は古墳に住む、狸ファミリーの遊び場になっているそう。

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日本3番目の大きさ。「履中天皇陵古墳」の絶景に感動!

履中天皇陵ビュースポット。古墳は5世紀初頭の築造で、長さ365m。
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続いて向かうのは、国内で3番目に大きい古墳の<履中(りちゅう)天皇陵古墳>。「天皇を葬る古墳(天皇陵)には、正面に「拝所」と呼ばれる参拝所が必ずあります。静謐な佇まいなのでぜひ訪ねてみて」と樽野さん。さらに、後円側にある「ビュースポット」は樽野さんのイチオシ。2017年に設置された穴場スポットで、その絶景は息をのむほど。

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まるで「インディー・ジョーンズ」?平成の森にある展望台にて。
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ランチ休憩の後は、大仙公園の一角、平成の森にある展望台へ。南米の遺跡のようなユニークな石造りの展望台は、かつてこの場所に存在した円墳<七観山古墳>の形を模したもの。「履中天皇陵はもちろん、あべのハルカスや西は神戸の山並みまでも望めますよ」。

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38ヘクタールの広さを誇る大仙公園の中にも、小さな古墳が点在していることにびっくり。
「あれも古墳かな?」と見つけるコツも分かってきたようです。
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「仁徳天皇陵 拝所」。鳥居の向こうに、長さ486mの巨大な古墳が広がる。
実は中に入れた時代があり、豊臣秀吉が鷹狩りをしたり、庶民が花見をした記録もあるそう。
 

最後に目指したのは「仁徳天皇陵古墳」。塵ひとつなく掃き清められた拝所には厳かな空気が漂い、圧巻の風格です。「試算では1日約2,000人が働いても、完成までに15年以上かかるそうです」と樽野さん。その壮大さに思わず圧倒されたひとときでした。

 

ランチ休憩を含めて5時間半、歩行距離約7km。古墳づくしの1日は、意外な驚きや発見にあふれ、あっという間の時間でした。プライベートツアーなので、気兼ねなく楽しめるのも嬉しいところ。

 

ぜひ、古墳デビューを目指す様々な世代の方におすすめしたいツアーです!

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ガイド紹介
NPO法人 堺観光ボランティア協会
樽野 美千代さん

大の歴史好きで、地元中学校の教師として長年勤務。クラブ活動の一環で、堺の古墳めぐりを始めて以来その虜に。手づくりを含む豊富な資料と古墳愛あふれるガイドで、古墳周辺の街の変遷を追うのも密かなライフワークだそうです。

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ツアーガイド:NPO法人 堺観光ボランティア協会

取材・文:山口 紀子 / 撮影:山崎 純敬

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