堺を知り、学ぶ博物館です。常設展では堺の歴史を特色づけ、四つのコーナーに区切って紹介しています。特に弥生時代の大集落遺跡である四ツ池遺跡、仁徳天皇陵古墳に代表される百舌鳥古墳群からの出土品を集めた「古墳・仁徳天皇陵」コーナー。国際貿易港として栄えた中世から近世にかけての堺を紹介した「自由都市堺」コーナーは、堺の歩みを知る上で見逃せません。
「古墳・仁徳天皇陵」コーナーの市指定有形文化財「
特別展、企画展をはじめ、常設展の展示品をクローズアップした「スポット展示」も年6回開催
衝角付冑型埴輪<複製>。冑のつばが船のへさき「衝角」に似ていることから名づけられた
古代の堺の信仰における貴重な遺品が、飛鳥時代のものとされる「観音菩薩立像」です。この菩薩像は
観音菩薩立像。腕の部分は損失しているが、白檀製のため保存状態が良い
「堺の町は甚だ広大にして大なる商人多数あり。この町はベニス市の如く執政官によって治められている」と自身の著書に残したのは、イエズス会の宣教師ガスパル・ヴィレラです。日本のベニスと呼ばれる国際貿易港として大いに賑わった中世の堺は、独自の市民自治システムを作り、黄金時代を迎えます。この富を背景として文化が花開き、堺商人の一人だった千利休は茶の湯を大成しました。戦国大名からは「堺を制するものは天下を制す」といわれたほどでした。
また「ものの始まりなんでも堺」と表現されるのは、この時代の発展が礎となっています。火縄銃の製造もそのひとつで、徳川家康が作らせた3mの特大火縄銃「慶長大火縄銃」は、現存物では世界最大級です。
江戸時代の商家にも、堺ならではの工夫があり、屋根部分を仰ぐと、庇から
世界最大級の「慶長大火縄銃」。当時堺と並ぶ産地であった滋賀県の国友鉄砲鍛冶と協力して製造された
尾垂が向かいの家の尾垂と重なりあうことで、悪天候を防ぐ知恵。たたんで収納できるバッタリ
大きく4つにコーナー分けした常設展では、タイムスリップしながら歴史を学んでいただくことができるほか、堺出身で奈良時代の僧・行基や堺ゆかりの祭事、産業や文化も紹介しています。地下にある子ども向けの体験学習コーナーでは、屏風や土器、冑などのレプリカなどを用い、五感を通して歴史や文化を体感できます。世代を超えて「ここに来れば堺のことがわかる」よう工夫を凝らしています。
館内を巡られた後、博物館敷地内の茶室などで大仙公園の緑豊かな自然を眺め、くつろがれる方もおられます。どなたでも気軽に来館していただけるような、堺の歴史や文化を楽しく学ぶ“
「博物館の名称が『堺市』なのは市民の寄付から誕生したから。堺のことを知りたいと思う人は誰でも気軽に来館してほしいですね」と倉橋さん
冑のレプリカで武将気分。ゲーム形式で歴史や文化への造詣を深める体験学習コーナーは子どもたちに人気
※掲載情報は、取材時点のものです。現在の情報については、直接お問い合わせ下さい。
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